!第十四回 遁甲之森(14-3)
  「こいつ、速い。みんな下がって!」    李秀は双戟を构え、大蠍の右侧に回って走った。    蠍は势いよく尾を振る。ぶら下がっていたSiTが投げられ、避けた李秀が転倒した。その拍子に朔月镜が転がり落ちたので、钢先が追って走り、素早く拾った。    李秀は気味悪さに惊いて、すぐに戻る。    「大丈夫か、李秀」    気遣う钢先に李秀は颔いて    「気をつけて。こいつ、尾が二本もある」    钢先は朔月镜で蠍を映した。    天哭星    蠍の像に浮かび上がった文字を见て、一同は颔き合う。    そのとき、树の上からどさりと何かが落ちてきた。    大蛇である。    しかも头が二つあり、双方から细长い舌をチロチロ出している。    钢先が素早く镜に映す。「天暴星」の文字が浮かんだ。    鲁乗が念りながら言う。    「钢先、さすがに分が悪い。一度森を出た方がよかろう」    「よし。来た道を戻るぞ」    そう言って钢先は手招きしたが、异変が起こった。    「どうしたんだ。おい、みんな、どこに行ったんだ」    钢先の周りには、谁もいなくなっていた。